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ちょっと執筆復活
カテゴリ: 日記
どうなのよ。こういう小説ってと思いながら書いた。
深く感情を込めて、精緻に書いたつもり。
僕は物語に入って、登場人物になりきって書くタイプなのですが。

工藤美弥子はどうですか?



第一章「ジャンプボール」

1.くどうみ夜こ

 重力。

 重力を感じていた。頭からつま先にまでかけて重くのしかかるそれを、恨めしく思う。どうしてこんなにも体は重たいのだろう。
 自分が人より重たいとはあまり思わなかった。むしろ、自分が軽い事に嫉妬される事の方が多かったと記憶している。何事も過ぎる事はたたかれる原因になる、と身を以て知っていた。
 それでも、私はいつからか重力について考える様になっていた。重たい、足をアスファルトに縫い付ける圧力を。  空を睨んだ。
 誰の目にも映る事の無いそれは、今も私の顔に降り注いでいるのだろうか。目映く照らす太陽光が、見つめ続ける事をさせてくれない。
 空は青かった。青空は誰が見ても清々しいものであるはずなのに、今の私にはとてもそうではなかった。遠すぎる。
 重力に縛られた私には空にうつる全てが遠かった。手を伸ばしても一生届く事の無い、私と空には壁があるから。 「そらをとびたい」
 ずっと考えている事だ。
 この世のどこかに、空を飛ぶ事を叶えた人はいるのだろうか。多分、それはいないのだと思う。体に風を感じながら、空を自由に飛び回る権利を人間は持っていないから。
 全てこの重力のせいだ。人間という身体のせいでもある。
 鳥になれれば、そんな事を考えた事もあった。それでも重力は感じるのだろうけど、今よりこの世界を好きになれる気がした。
 窓を見る事が多くなったのは、いつ頃からだろうか。
 鳥はいつでも窓の向こうで優雅に舞っている。時々、私の目の前に現れて羽を休めているのを見ると、鳥が私に『一緒に飛ぼうよ』と言ってくれている様な気もした。全てが妄想で、最初はばかばかしく思ったけれど、今では割と本気でそう考えている。
 ふいに、チャイムが鳴った。
 想像の世界から一気に引き戻され、私の目の前にほとんど白紙のままの答案用紙が現れた。書き込みがあるのは、記号か数字だけ、つまり運でも当たる問題だけという事になる。今の時間は大嫌いな英語の時間だった。
 本を読む事自体が苦手な私は、英語という中学生の時に出会ったときに相性が悪いだろうなと思った。高校に上がって、絶対に打ち解ける事はできないだろうなと思った。
 後ろから答案用紙が回ってくる。それに私の酷い答案用紙を重ねて、前の人に回した。一瞬前の席の佐木さんが私の答案を見た、そして呆気に取られ、何かに納得したかの様に普通に戻ってそれを受け取った。
 悪いか。私は頭が悪いんだ。
 そう思って机にうずくまる。テストという物はどうしてこんなにも苦痛なのだろう。勉強が苦手な私にとって、それを試される事は拷問に近かった。
 そんな事を考えていると、周りが一気に騒がしくなる――――また始まった。
「あの問題、絶対に誰も解けないよねー」
「え、私解けたよ? あけちゃんは自分を基準にし過ぎだって」
「あ、ひど」
 そんな話がクラス全体で浮かび上がる。これはいつも通り、いつでも始まる恒例行事の一つだった。何が楽しいのか、さっぱりわからないけれど。
 それらを冷めた視線で見ていると、そのいくつもある群れを押しのけて、私の友人が現れた。久坂紗知(くさか・さち)、女子バスケットボール部を高校一年から三年まで一緒に続けた、そういう繋がりの友人だ。快活そうな顔と、平均よりやや背が高いせいで年下の女子にも人気が高い。
「みやこ、どうだった?」
 さちも、周りと一緒の話題で私と話すつもりらしい。精一杯の笑顔が、私の胸を抉った。言いながら、さちは長い髪をうっとうしそうにかきあげた。
「いつも通り、全然駄目だったわよー、さちは良かったんだろうけど」
「私も、そんなに良くないって、ね、そんな事よりさ、今日はこの後空いてる?」
 即答しようとしたが口が止まった。
「……えっと、無理にとは言わないんだけど、部活見に行かないかなって」
 そして提案された内容に、とてつもない拒否反応を私の脳は示した。行きたくない、会いたくない。そう心の声が言う。 「ごめん、昨日一夜漬けしたからあんまり寝てないんだ、だからまた今度ね」
 さちの顔を見ながら嘘をつける自信がなかった。私は、机の上に載ったままの問題用紙を見つめながら、さちの誘いを断った。
「また一夜漬けしたの? じゃあ、今夜はしっかり寝ないと、ね」
「うーん、家帰ったらすぐ寝るー、そしたら次の日になってたりして」
 そんな冗談で場をごまかして、いつの間にかやってきた教師が騒いでいる生徒を制し始めていた。さちはそれを見て、じゃあねと言って席に戻っていった。
「せんせー、あのテスト難しく作り過ぎ」
「これからは授業ちゃんと聞くんだな、そうすりゃ八割はとれる」
 生徒と教師が軽口を叩き合うのを聞きながら、私は鞄に問題用紙を突っ込んで、机の上に置いて枕にした。
 一年生から使い込んでいた、バスケ部でも使っていた私の鞄はとてもぼろぼろになっていた。他の女の子が持っている様な、ブランド物の鞄ではなく、学校で支給された、地味な紺色の肩掛け鞄。アルバイトをやっていた訳でもなく、お小遣いもどんどん削られている私には、そんな自由も無かった。
 別に興味も無いけれど。
「じゃあ、テストが終わったからといって、羽目を外しすぎないようにな、委員長」
「きりーつ」
 挨拶が終わって、生徒達は様々なグループに分かれて雑談に興じ始めた。私の方に駆け寄ってくる久坂紗知は忙しそうにしていた。
「えっと、美弥子、また来週遊ぼうね、夏休みも予定あけといてよ?」
「うん……」
 忙しそうに帰っていくさちを見て、多分大切なやくそくが出来たのだと理解した。さきほどまでは何の化粧もしていなかったのに、今のさちの顔にはうっすらとメイクした跡があった。教師のわずらわしい話を聞きながら、隠れて化粧したのだろう。
 さちに彼氏ができてから、一緒に遊ぶ事などほとんど無くなった。
 だから、友達付き合いを広くしてこなかった私には、他のクラスメイト達とのつながりがあまりにも細かった。
 ふと、誰かに見られている様な気がした私は、その方向を見た。保健委員をしている、香田緑(こうだ・みどり)だった。
 私が首を傾げると、香田さんは小さく胸元で手を振って教室を出て行った。口元が、工藤さんさようなら、と言っている様な気もした。
 バスケ部時代に、よく傷の手当をしてもらった事だけが香田さんとのつながりだったのだけれど、香田さんはよく挨拶をしてくれる。
「じゃあね、香田さん」
 私は出て行った後の香田さんに声を出した。聞こえていないかも知れなかったけれど、私はそれでいいと思った。
 さてと、門限までなにをしていよう、と私は考えた。
 家に帰ってすぐに寝たりしたら、母親に何を言われるかわからない。落ちついて何かをできる環境が、家にはない。
 とりあえず教室を出た私は、暇をつぶせる場所を頭に浮かべながら廊下を歩いた。




こういう工藤を好きになってくれる人はいるのか怖いですが。
久しぶりに書いてもこんな感じな工藤なのでした。
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編集 / 2009.12.02 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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