• SEO
  • loading
  • 小説日記サイトカラフロ
                          【WEB拍手】
スポンサーサイト
カテゴリ: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
編集 / --.--.-- / コメント: - / トラックバック: - / PageTop↑
  • SEO
  • loading
  • 小説日記サイトカラフロ
                          【WEB拍手】
つづき
カテゴリ: 日記
何か調子が良かったので続き。

まずは二人の自己紹介がしたくて、こういう書き出しにしたのですが伝わってるでしょうか。

くどうみやこという人間が。
そこに見え隠れする過去が、興味をひき立ててくれるのだろうか。

それだけが気になります。




 と考えつつも、結局はどこに行っても退屈な事はわかっていた。
 商店街を歩いて、適当な店に入って、色々な物を見ながら、何かを思う訳でもなく、決して何かを買う訳でもなかった。
 それでも時間はあまり進んでいかない。
 全く用のない楽器屋に入ったり、本が嫌いなのに本屋に入ったり、何となくスーパーに入って安い食料品を手に取ってみたり、どれもしたくしてしているんじゃなくて、本当に何となく。
 それでも時間はあまり進んでいかない、困った。
 商店街も歩き尽くして、とうとう公園に辿り着いた。この公園は商店街内に作られた、私が唯一好きな場所だった。大して広くもなく、整備がされているわけでもない。それでも好きな理由があった。
 バスケットゴールがあるからだ。
 ここに来るのは久しぶりだった。あまりバスケットボールと関わらない様にしていたから、ここも自然と避ける様になっていたのかも知れない。
「君もひとリぼっち」
 一人で公園に立ち尽くしているゴールの柱に触れる。錆びた肌は、そこに立っている時間の長さを感じさせた。私がバスケットボールを始めた時にはあったから、だいぶ長い間ここでゴールをやっているのだろう。
 憩いの場であるにも関わらず、遊具があまりないために子供達はあまり寄り付かない。
 バスケットの練習をするには、狭すぎると言う理由で大きい子供達にも使われる事は無い。
 私に取って、一人だけで練習する為にはもってこいの場所だった。相変わらず誰も使っていない事が、今の私には少しうれしくて、少し悲しかった。ひとりぼっちだから。
 ゴールの下にあるベンチの陰に、私はバスケットボールを隠していた。それは小学校の時に買ってもらって、それからずっと使っていたお気に入りのもので、去年使う理由が無くなってから、ここに置いておく事にしていた。
 取り出して、半面コートの上で何度もボールをつく。早く突き返して大きく弾ませ、高く上がったボールを高い地点でキャッチして、そのままシュートモーションを作る。
 スリーポイントにもならない近距離からのシュート、さらにノーマークという状況は試合だったら絶対に外せない場面だった。ゆっくりと狙いを定める。
 跳躍はしないで、腕だけの力で放った。
 放物線を描いていくボールは、籠の枠に当たる事も無くコートで弾んだ。二三と弾んで、壁で弾かれて戻ってきた。私の足下にぶつかるとボールはおとなしくなった。
 筋肉が落ちているだけ。悔しくて私はもう一度ボールを掲げた。誰が見ていようと関係ない、集中して必ず次は入る様に、目一杯力を込めて。
 入れッ!!
 心の中で叫んだ。私が高校二年にバスケ部をやめてから、そこまで時間が経ったとは思えない。十年以上やってきたものが、一年にも満たない休憩で全てできなくなるなんて、そんな事は許せなかった。そんな筈はない、私はまだ、バスケットボールが出来る。出来るんだ。
 次はリングにぶつかって、コートに叩き付けられた。非力になったわけじゃない、筋肉が落ちたからって、ゴールまで届かなくなる事がある筈が無い。
 もう一度、もう一度と、何度もボールを放り投げた。それでもリングに何度でも跳ね返されて、一度もボールがくぐる事は無かった。
 膝に手をついて、激しくなっていた呼吸を整えた。ほとんど同じ場所から動かずに、シュートをしているだけなのに、私の身体はそれだけの運動で悲鳴を訴えてくる。どうしてしまったのだろうか、これじゃあ二度と私はコートの上に立つ事ができない。
 一本もシュートが入らない事が恥ずかしくてたまらなかった。そんな事、今まで一度だってなかったのだから。
 もう一度ボールを構える。そして、足下を確認した。履いているのはシューズではない、ただのスニーカーだ。これで固いコートを蹴ったら、身体に強い反動がくるだろう。それでも――
 私は一本だけでもシュートを決めないと、ここから抜け出せなくなっていた。
 集中して、コートに何度もボールをつく。コースを決めて、歩数も確認して、レイアップシュートを決める準備を整える。
 レイアップで、私が外すわけないんだ。
 駆け出した。夢中で駆け出して、ゴールを望んだ。ジャンプ。私は背こそ高くは無かったが、ジャンプ力には自信があった。高いディフェンダーの手を越えて、籠だけを見つめてボールを流し込むだけ。
 それだけの筈だったのに、なぜか大きな物体にぶつかった。ディフェンダー? さっきまでそんなものいなかった筈だ。いや、ずっと一人で練習していたのに、誰かがいるわけない、それなのに。
「美弥子ちゃん、一体何をしているんだい?」
 ボールがコートを跳ねていく。
 私の身体は誰かに抱きとめられていた。それが誰なのかは、さっきの声から推測して何となくわかっていた。なぜ、わざわざこんな場所で出会ってしまうのだろうと、神様を恨んだ。
「皆実(みなみ)先生……」
「それ以上は、身体に障るから止めておいたほうがいい」
 急に全身の力が抜けて、私はコートに尻餅をついた。
「家まで送ろうか?」
 優しい表情の先生は、私に手を差し伸べてくれた。久しぶりに会った先生は、私が通院していた時とあまり変わっていなかった。高い身長が、私に羨ましいという想いと、安心感を与えていた。
「いえ、大丈夫です……」
「そう」
 先生はそう言って、コートの上に転がっていたボールを拾い上げた。
「せっかく、久しぶりに会えたっていうのに少し残念だったよ、これは君の元主治医として預からせてもらうから」「あ――――はい……」
「それじゃあ、また会えるのを楽しみにしてる」
 いつの間にか日は暮れて、先生は白衣を夕日に染めながら帰っていった。私は一人コートの上に取り残されて、何も出来ないまま呆然としていた。
 皆実先生は買い物の帰りだったのだろうか。そんなどうでもいい事を考えていた。この商店街に居を構えている先生の自宅、皆実病院にはしばらく通った事があった。だから、そんな場所でバスケをしていたら、先生にばれるに決まっているじゃないか。
 私は馬鹿だ。
 商店街の時報が鳴り響く。誰もが家に帰りたくなるメロディが流れるが、私はそんな気持ちには浸る事ができない。もう帰っても何も文句を言われない時間になった、と思うだけ。
 テストが終わったばかりだというのに、私の身体は重く、何の開放感も感じられない。
「空が飛べたら、いいのにな」
 身体を真っ赤に染めて、私は空を駆け回るのに。
 重力は私を離さない。
 私は力なくも立ち上がり、先生と同じ帰路についた。



 これを書きながらクラシック聞いてます。
 クラシックはいい、心を落ち着かせてくれます。曲によりけりですが。
 今聞いているラヴェルの管弦楽版マメールロアは、とてもゆったりとした気持ちにさせてくれました。

 カップリングしている、高貴で感傷的な円舞曲の管弦楽版も結構いいです。
スポンサーサイト
編集 / 2009.12.02 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
コメント
 
Title
 
 
 
 
 
 
Secret 


Pagetop↑
トラックバック
Pagetop↑
プロフィール

COLOR FLOW

Author:COLOR FLOW
物書きをする、平凡かつ人畜無害の木偶の坊。
日記と自分の書いた小説を載せてます。
お暇なときにどうぞ。最近曲も書いてます。
動物占い血液型占い
クリックするとblogramに投票!!
【基本スペック「色流データ」】
【好きな作品「色流リスペクト」】
作曲した物はニコニコ動画にうpしてます
【ニコニコ動画】色流自作曲集
【ニコニコ動画】作業用BGM集
最新作!!


FC2カウンター
リンク
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

暇なときに押してください!
blogram
blogram投票ボタン
読書カレンダーBLACK
今日の音楽記号

*製作者ブログ*
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
FC2拍手ランキング
QRコード
QR
Feed Me!
小説日記サイトCOLOR FLOWのRSSフィード
アニメPV&名曲集
presented by 原作アニメ.com
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。