第一章 ザ・ファースト・タイム
1
誰かが俺を呼んでいる。
目の前に写る光景は、昔何度もうなされた、『あの夢』と同じだった。
大きな炎が、目の前にあり、目下には人の亡き骸が転がっている。それは昔見た夢と同じ状況であって、だからこそその亡き骸の名前が、俺にはわかった。
『お兄ちゃん……、何で私は助けてくれなかったの……』と、その亡き骸は俺に訴える。
久しぶりに見るその亡き骸は、俺の妹 『二海晶子』のものだ。俺が中学生の時、目の前で交通事故に遭った妹を、俺は助けることができずに、呆然と立ち尽くしていた。
夢はいつも、妹が車に轢かれる瞬間に始まる。夢を見初めた頃は何度も助けれない事がわかっていても、何度も助けようと思い、その度に絶望した。
俺にとって妹は、家族の中で一番信頼できる存在で、一番の友人だった。
昔から、親の転勤で転校ばかりしていた俺は、仲良くなった友達をすぐ失うという事を繰り返した。それだけが原因かはわからないけれど、俺には親友と呼べる存在はいない。
だから、妹を失った瞬間に、俺はすべてを失って、すべてに絶望したんだ。
『お兄ちゃん、どうして私は助けてくれなかったの……』と、妹が泣きぐずった声で呟く。
『ごめん……俺がふがいないから、助けてやれなかったんだ……』
周りの色が赤い炎の色に染まり、次第に妹の声は聞こえなくなっていく。
そして、夢の終わりを告げるかの様に、辺りの光は力を失い、すべては闇に消えていった。
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誰かが俺を呼んでいる。
目の前に写る光景は、昔何度もうなされた、『あの夢』と同じだった。
大きな炎が、目の前にあり、目下には人の亡き骸が転がっている。それは昔見た夢と同じ状況であって、だからこそその亡き骸の名前が、俺にはわかった。
『お兄ちゃん……、何で私は助けてくれなかったの……』と、その亡き骸は俺に訴える。
久しぶりに見るその亡き骸は、俺の妹 『二海晶子』のものだ。俺が中学生の時、目の前で交通事故に遭った妹を、俺は助けることができずに、呆然と立ち尽くしていた。
夢はいつも、妹が車に轢かれる瞬間に始まる。夢を見初めた頃は何度も助けれない事がわかっていても、何度も助けようと思い、その度に絶望した。
俺にとって妹は、家族の中で一番信頼できる存在で、一番の友人だった。
昔から、親の転勤で転校ばかりしていた俺は、仲良くなった友達をすぐ失うという事を繰り返した。それだけが原因かはわからないけれど、俺には親友と呼べる存在はいない。
だから、妹を失った瞬間に、俺はすべてを失って、すべてに絶望したんだ。
『お兄ちゃん、どうして私は助けてくれなかったの……』と、妹が泣きぐずった声で呟く。
『ごめん……俺がふがいないから、助けてやれなかったんだ……』
周りの色が赤い炎の色に染まり、次第に妹の声は聞こえなくなっていく。
そして、夢の終わりを告げるかの様に、辺りの光は力を失い、すべては闇に消えていった。
11,
2008



